ヴィスコンティ・ブレラ・ブランビラ版/The Visconti Brera-Brambilla-Minors

小アルカナの謎。タロットの不思議の一つに、小アルカナ=数カードの存在があります。

トランプとは絶対的に異なる、スートとその配置・・・トランプのように決して画一的ではないその並びに、「そもそもタロットとは何なのか?」のカギがあるはずです。

M・ダメットも提唱しているように「これがゲームのためのものなら、40枚もあるのだから、数を振るのは必然でしょう」。なるほど、いや参りました。確かに、こんな複雑なタロットの小アルカナで卓上ゲームは至難ですね。いちいち「えっとこれって、9?10?」数えているわけにいかないでしょう。ゲームであれば。
現存するマルセイユ版数札にも、数値は振られていません。数はもちろん、重要なのだけれども、算用数字の数値ではないんでしょうね、純粋に「何がいくつあるのか」が重要で。

さあ、行ってみましょう。ヴィスコンティ・ブレラ・ブランビラ版小アルカナ、タロットの謎解きの世界へ!
まず、解りやすい「剣」。トランプのスペード。
ACEにはヴィスコンティ家のモットーが。
A bon droyt」「善は権利である」「法に従え」と言うもの、ペトラルカ(Petrarch イタリアの詩人1304-74)によってミラノの第一代公爵であるジャイアン・ガレアゾォ・ヴィスコンティに提言されたものであることがわかっています。
(弊社ヴィスコンティ版オリジナル解説書より)

ベルガモ版、キャリー・イエール版の「剣」は婉曲していませんでしたが、ここからマルセイユ版にも受け継がれた「剣の婉曲」が始まった模様。剣の取っ手が下、刃が上を向いています。
しなやかな剣、美しいですね。「自然は直線を嫌う」という慣用句があります。
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さてではワンドは? 棒というより、槍で、これはベルガモ版、CY版同様。
取っ手が上で、棒の先が下向きです。「槍」V.S.「剣」と対照性が際立ちます。正逆の扱いはどうなるのか?
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槍の人物札は3枚のみ現存。王、女王、騎士らは同じ柄のお召し物。一族の皆さんなのでしょうか。青いお着物、金箔を背景に美しいこと!
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「貨幣」は実際の硬貨のリアリティある質感。またまた同一スートの人々のお召し物も同一。ベルガモ版、CY版を経てヴァージョンアップを感じさせられます。黄金の毛皮のアーミンを羽織っているかのよう。お帽子、当世風のタイツの可愛いこと。
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さあ、「杯(さかずき)」です。何故?ACEではなく、4に一族のモットーが。
4から始まる、何かがあるのか。4 of Cups=Ace of Swords/Wands という等価性があるのか? この札は重要そう。
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5ofCupsについては5=4+1というイメージになっている。となれば、6=4+2
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なるほど、だから7=6+1  8=6+2  9=6+3 というイメージが成立するのですね。
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杯の10=9+1 というイメージだが、貨幣と槍は10=5+5。。画一的ではない。このスートのシンボルの並び方がトランプと決定的に違うところ、タロットの存在意義のにじみ出るところでしょう。
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ちなみに貨幣の数札に一族のモットーが見られない。ベルガモ版、CY版には複数見られましたが。モットーを入れる絵札が時を経て絞り込まれた模様。
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にしても、いや美しいですね、美しすぎる。世界で最も美しい小アルカナと言っても過言ではなく、またマルセイユ版に引き継がれた「数の神秘」、引き継がれなかった部分、その所以は?
いわゆる数秘の原点としても、注目を集め出したこのデッキでございます。
筆者ももう何度も何度も繰り返し、各絵札をチェック&チェックでございます。
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